訪問診療の可能性
本日は、三鷹市の精神障がい者在宅生活支援事業(アウトリーチ事業)の支援者向け研修に参加しました。
若年層の切れ目ない支援の実現に向けて、長谷川病院の在宅診療部 富樫さんがお話をしてくださいました!(在宅診療部は立ち上げてまだ日が浅いそうですが富樫さんの熱い思いが伝わってきました)
長谷川病院では在宅診療として精神科アウトリーチに携わっています。
精神科アウトリーチとは、特に未受診・未治療の人や、医療を中断している人に対し、専門職がチームを組んで必要に応じて訪問支援を行うことを指します。(長谷川病院では外来に来られない重症者にも対応しているとのこと!)
訪問診療は、医療機関への受診が難しい人に対して診断や福祉サービスへのつなぎを行う重要な役割を果たし、特に長期にわたって引きこもっている方に対しては医療へのハードルを下げる手段となります。
アウトリーチの対象者に年齢制限はないとの事でしたが、現状は壮年期や老年期へのアウトリーチ支援がメインになっているようです。(7割が老年期の患者ということでした)
話の中で、社会的引きこもりに陥っている人の3人に1人が小中学校時代に不登校を経験しているというデータを見て、若年層への支援が非常に重要であることが分かりました。
重要であるのに実際は若年層に導入が進まない理由として、
・引きこもりからの自立支援をうたう「引き出し屋」と強制入院への違法性
(人権侵害にあたると訴えられてしまったこともあるようです)
・引きこもりという現象と精神疾患判別の難しさ
等、専門的なスキルと多くの緻密なケアが必要となることが挙げられるそうです。
そのため、若年層の介入では家族との関係が重要なポイントになってくるとし、病院としてはかなり裏付けをとって介入するようにしているというお話でした。
(なかなか簡単にはいかないのですね。。)
お話のあとには1つの事例に対してグループワークを行いました。
それぞれの立場から、どうしたら切れ目のない支援を行えるのか、どこに相談するべきなのか、気をかけるべきなのかを話し合うのはとても有意義で勉強になりました!
日本はまだまだ臭いものにはふたをする文化。
その中で親は頑張りすぎてしまう傾向があるようです。
頑張らなくていい、まずは相談してほしい。一緒に考えて、一緒に悩んでいきたいという言葉がとても心に染みた研修会となりました!