2025.12.16

【三鷹市】後医は名医

寒さが身にしみる季節になってきました。

本日は、当クリニックの3階で行われたケアマネ交流会を見学させていただきました。

 

アイスブレイクは自己紹介と「最近理不尽に感じたこと」。

皆さん、さすが人と話すことを仕事としているからかすぐに話題が出てくることに驚き!

そして、その話が面白い!

「あるよね~!」

「歳をとってきたから怒りっぽくなってきたのかしら?」

「歳をとってきたから昔は気になったことが気にならなくなりました」

等、人によっても様々。

私の場合は、若い時の方がルールや決まりに厳しかったかなと。(いや、今も厳しいから若いのか?)

歳を重ねると、それまでの経験やキャリアから自分の譲れないものが出てきて、そこを突かれると「いやいやいや」となってしまうのか。

 

アイスブレイクでかなり盛り上がったあとは、本題の事例検討となりました。

少し内容は変えているものの、困ったこと、皆に相談したいことを事例として話し、グループワークをしていきます。

 

お話を聞いていて、ケアマネさんはこんなところにまで気を遣って考えているんだなと感心するばかり。

家族の協力があればもっとスムーズにできたのかな?と思うこともありますが、家の事情はそれぞれ。

何でも手をかける家族もいれば、手伝いはしたくないけど状況だけは詳しく知りたい家族、関与したくない家族、本当に様々です。

ケアマネさんは、何が良い悪いではなく、理想はありつつも患者を取り巻く環境を理解し、できるなかで可能性を見つけて最善策を考えていくということをやっています。

何が正解かは分からない。でもその人の為になにができるかを考えるエキスパートなんだなと改めて感じました。

 

その中で、ケアマネさんが「もっと初期のこの状態の時に適切な判断ができていれば状況は変わっていたのかな?」と悩みを吐露しました。

それを聞いた当クリニックの医師は(高橋も参加させてもらっていました!)、

「医療の世界では「後医(こうい)は名医(めいい)」という格言があります。これは「最初に診察した医師(前医)よりも あとから診察した医師(後医)の方がより的確な診断や治療を行いやすく、結果として名医に見えやすい」ということです。最初に行った行動や対処をもとに可能性を潰していった結果、今の病名にたどり着いただけだなので、どこで行っておけばということはない。その時その時で最善のことをしていると思います。」と言っていました。

 

医者は、「パカラッ!パカラッ!」という蹄の音を聞いた時に、それがシマウマだという判断をしてはいけないそうです。

恐らく、その蹄の音を聞いて大部分の人が思い浮かべるのはシマウマではなく馬。

であれば、恐らく馬でしょう!というところから始めていくんだそうです。

 

なかなか深い話でした!

病院も同じですね。

Aクリニックで「これはあゆまん病ですね」といわれて薬を処方されたれど治らない。なんだか熱も出てきたので、その診断に疑問をもってBクリニックに行く。

その経緯と症状をみた先生は「これはあゆまん病ではなく、あゆーみ病ですね」といって違う薬を処方。みるみるうちに良くなったとすると、私達は「Aクリニックはヤブだ。Bクリニックは凄い!名医だ」と判断してしまうこともあるのではないかと思います。(私はそうかもしれません。。)

確かにその可能性もありますが、必ずしもそうではないこともあるということ。

もし受診したクリニックの順番が逆だったら、自分の評価は正反対になっていたかもしれません。

「前の病院ではあゆまん病と診断された」

「この薬を処方されたが改善せず、熱も出てきた」

この情報事態が診断の参考になっているのです。

 

少し話が逸れましたが、色々な思いに触れられとても貴重な時間を過ごさせていただきました。

有難うございました!