2024.10.02

2024年10月度 法人研修報告

10月2日、月次研修を実施しました。

今月のテーマは『訪問看護におけるリハビリテーションについて』。

講師に、カルプ訪問看護ステーション吉祥寺より言語聴覚士の増永竜一様をお招きし講演いただきました。

講演の最初に、株式会社ケアマネジメント·サービス代表取締役の飯島大人様より会社概要とリハビリテーション(re:再び habilis:適した、相応しい)とは病気やケガなどにより失われた日常生活やその人らしさ、それらを取り戻す訓練という概念を前段として確認いただき、それぞれの職種がどのようなものかを紹介いただきました。

日常生活とは食事や身だしなみ、着替え、トイレなど。その人らしさとは趣味や余暇活動、社会的役割など。

それらを取り戻す訓練をする3職種、理学療法士PT、作業療法士OT、言語聴覚士STがあります。

理学療法士・・・主に体に障害を持つ方に対して、寝返る・起きる・立つ・座る・歩く等の基本的な身体の能力回復や改善を目標として訓練を行う。基本動作から身体機能、応用動作を訓練していくことでより多くのADLが可能になります。

作業療法士・・・生活していくための問題を評価し、様々な活動を用いて訓練を行う。障害があっても残された能力を最大限活用し、身辺動作や家事動作、仕事への復帰を目指した訓練を行う。基本的日常生活活動(BADL)がベースにあり、その上で手段的地上生活活動(IADL)があり、その上にその人らしさ(QOL)があるという図をお示しいただきました。

そしてここから増永様に交代し、

言語聴覚士・・・コミュニケーションに障害のある方、食物の呑み込みが難しい方に対して、評価・訓練・援助、ご家族など周囲の方々への助言・援助をおこなう。対象は言語・発話(音声)・高次脳・嚥下をあげていただきました。

在宅でよくSTが関わる障害に失語症や構音障害、嚥下障害があるそうです。失語症は言語中枢の障害であり、構音障害、嚥下障害は運動機能の障害と違う為、言語聴覚士だけが介入するのではなく、チームとしてPT・OTと連携することもあると教えていただきました。

また訪問看護におけるリハビリテーションは、病院と訪問看護を比較し紹介いただきました。

そこには頻度、目的、環境がそれぞれに違った状況で活動されている事が良く理解でき、リハビリ開始までの流れを丁寧に解説いただきました。ご利用者様の全身状態確認や機能訓練、日常生活動作訓練、自主トレメニューの提供、口腔ケア、食事介助方法に関してアドバイスを行い、合わせて福祉用具の剪定や住宅改修のアドバイス、助言をご家族様にも行われています。

訪問看護指示書に関しては、それぞれ事業所で書式は違うのを踏まえて、どの様な記載であれば情報共有がスムーズか厚生労働省別表7の記載内容を参考にしていただき、特に―パーキンソン病関連疾患に関する注意点など確認いただきました。

講演後には質疑の時間もいただき、多くの疑問を解消できる貴重な機会となりました。

ご講演いただきました飯島様、増永様、ありがとうございました。