認知症サポーターフォローアップ講座
朝からあいにく雪がちらついており、クリニックを出発するころには本降りに。。
『こんな天気の中、あまり人は集まらないかもしれないなぁ』とボンヤリ思いつつ向かったオレンジドア主催の認知症サポーターフォローアップ講座。
会場に着くと、予想に反して沢山の人が参加されていました!
(かなり雪が降っていたので本当にびっくりです!いつもながら関心の高さが伺えます)
最初に、認知症当事者の野村義子さんより「老いは病気ですか」という題目でお話がありました。
野村さんは、PASMOが見当たらない、バスに服を忘れていく等という出来事が重なり、物忘れを自覚して認知症専門医を受診。認知症と診断されました。
それから8年後、認知症ではないという驚きの診断をされ今に至っています。
まず皆さんは、加齢による物忘れと認知症の違いが分りますか?
例えば、加齢による物忘れは食事をしたことは覚えていますが何を食べたかは忘れています。ただ、ヒントをもらえると思い出します。
対して認知症は、食事をしたこと自体を忘れてしまいます。そして、ヒントをもらっても思い出せません。また、怒りっぽくなったりといった特徴があります。
(聞いてみると成程!と思いました)
野村さん曰く、老人になっていく段階の中で衰えからくる老化現象は色々と起きます。そして、その中には脳の衰えもあります。では、老いは病気なのでしょうか?
認知症は、必ずしも老人だけがなるわけではありません。老いは自然現象で、長い間生きているもの全てに必ず来る現象です。老いは病気ですか?という問いに対しての答えは「老いは病気ではない」ということでした。
認知症と診断を受け、8年後にその診断が覆った際も「年を取ったら色んな事があるから、違うと言われても『あぁ、そう?』というくらいです」と語っていた野村さん。
特別なことではなく、風邪をひいたくらいに思っておけばいい。自分自身でもできることは、戦うのではなく受け入れていくこと。と話されていたのがとても印象的でした。
そのあと行われたグループワークでも、「幼稚園の頃に靴を盗んでいくおばぁ」「洗濯物を何度も取り込む祖母」という2つの状況に対してどう対応していくのか、なぜそれをしてしまうのかを話し合いました。
グループワークでは毎回色々な人の色々な考えを聞けてとてもためになります。
心の余裕も必要だし、面倒くさいなと思う時もあるけれど、どうしてそうしてしまうのかを考えると違うものが見えてきたり、もう少し寄り添うことができる。共生社会についても、認知症に優しい街ではなく、皆に優しい街にしなくてはいけない。できる人ができることをやるのが共生社会ではないか。そういった意見があがり、また一つ勉強させていただきました!


