高齢者はどこで最期を迎えればいいのか
本日は、地域医療シンポジウムにZoom参加してきました!
東京保険医協会が主催しているもので、
服部 万里子 氏(日本ケアマネジメント学会 理事)
冨田 眞紀子 氏(NPO法人 なかの里を紡ぐ会 理事長)
水山 和之 氏(明和病院 院長、東京保険医協会 副会長)
中村 洋一 氏(中村診療所、東京保険医協会 副会長)
上記4名の講師を迎え、今回のテーマである「高齢者はどこで最期を迎えればよいのか」についてお話を伺いました。
まず、講師の先生曰く「自宅看取りまでを可能にする条件」としては、
・本人が最後まで自宅にいたいという強固な意志がある
・家族の理解と協力が得られる(同性の介護者がいると心強いとのこと!)
・在宅医療や介護態勢の構築、情報共有が日頃からできている(CMの力量が大きいそうです)
・本人を含め、関係者を交えたケアカンファレンスやACPがしっかりと開かれている(難しい!)
こちらが挙げられるそうです。
しかし、介護については家族が不安を覚える三大要素があり、これが高まると入所を考えるようになるということでした。
①転倒(よく転んで怪我をするようになってしまった)
②失禁(トイレに失敗するようになってしまった。お世話が大変)
③誤嚥
突然の入院や入所を招く原因についても話があり、突然の環境変化を防ぐためには、カンファレンスが重要になってくると話されていました。
特に、急変時の対応方法を予め定めておくことが大切なようです(家族の方が意外と気を使ってしまい、かかりつけ医や看護師ではなく、救急車を呼んでしまう事もありますね)。
データからみていくと、2022年におこなわれたアンケートで「どこで死にたいか」という質問に対する回答は一般市民の43.8%が自宅死を望んでいるという結果になったそうです。
(これが医師・看護師・介護支援専門員になる毎に自宅死を望む割合が増えていっていました)
では、自宅で最期を迎える意味と課題は何なのでしょうか?
意味としては、
・家族と過ごす安心感(同居でも別居でもそれは関係ない)
・慣れ親しんだ場所での安心感(不便でも、自分が慣れているところで過ごすことで得られる安心)
・自由な生活(自分のリズムで生活ができる、家族や友人と話ができる)
課題としては、
・医療のサポートが不足
・家族の負担
・急変時の対応をどうするか
上記が挙げられました。
こうした課題については、ACPを活用し本人も家族も安心してサポートできる準備を整え、関係者と情報を共有することで希望にあったサポートをつくりだしていくことが重要だということでした。
今回の話の中で印象に残っているのは「どう死にたいか」ではなく「最後までどう生きたいか」が大切だということでした。
ACPをおこなうと、本人と家族は意見が違う事がほとんどだそうです。
そんな時はまず本人に意見を聞いて、本人の意志を尊重していくこと、1回で決まることではないので伴走していくことが重要で、そこを丁寧にしていって気持ちの変化を見過ごさないようにしていくことが大切だということでした。
今回も勉強になりました!