2024.08.29

専門職向け研修 参加報告

2024年8月29日、専門職向け研修『神経難病と共に~心と暮らしにいろどりを~』に参加してきました。

三鷹市福祉Laboどんぐり山にて開催された研修会、今回も50名近くの参加者がおられました。

2つの演題で、神経内科医師の平井健先生から『医師が考えていること』という題で難病に関する歴史・制度から医療およびガイドライン、診断に関する概要に触れていただき、その後informed concentとして他職種の継続的関与の重要性や緊急時対応だけではないShared dicision making(協働意思決定支援)の本音を語っていただきました。

疾患概論としてALS、パーキンソン病、進行性核上性麻痺、多系統萎縮症、筋ジストロフィーなど紹介いただきました。

中でもキーワードとして『ネガティブ ケイパビリティ』という考えを教えていただきました。

関りの中で答えの無い問いに直面した時、どうしても答えをすぐに提示してしまいがちになります。

まずは苦悩を受け止め、答える事を我慢する事も必要なのではないか、という考えです。

我々訪問診療の中でも状況に応じて取り入れたと思う考えではないでしょうか。

次いで、作業療法士である本間武蔵先生から『神経難病の運動機能』について講演いただきました。

動作の特徴にある脱力系、失調系、緊張系に大別し、各疾患の運動症状とそれに対する対処を教えていただきました。

講演には多くの動画を提示いただき、神経難病の方々がどのようにリハビリを進められているのか、リハビリが本当にリハビリと感じた実例を見せていただきました。

実際に本人がどう感じているか、何を望んでいるか・・・

何度もキーワードで出てきていた『信頼関係』とはこれなのだ、と目の当たりにしました。

声を失って行くことに対する『マイボイス』『マイ楽器』という動画、実演には本当に驚きと感動をいただき、我々ができることはないか、これらの取り組みを少しでも広めるなどしたいと思います。

https://www.tmhp.jp/shinkei/section/central-department/rehabilitation/rehabilitation-work/my-voice.html

あきらめないことの大切さを沢山教えていただきましたが、あきらめざるを得ない事もあるかも知れない。でも人生の舞台の上にいて欲しい。「生きている」ことはただ「それだけで」あきらめない事と同じ。

講演の最後に演者の先生からこの言葉をいただきました。

工夫次第で様々な事が出来るようになる、何でもできる可能性があることを今回の研修会では改めて教えていただく貴重な会でした。

開催いただきました三鷹市介護人財育成センターの皆さま、ありがとうございました。